最新治療

医学の進歩とともに、皮膚科領域でもその恩恵を受けることができるようになりました。
その一部の薬剤や器具をこちらで紹介したいと思います。今まで悩んでいたことや、あきらめていたことも改善できるかもしれません。是非一度読んでみて下さい。

*タクロリムス軟膏 対象疾患;アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎の治療の際、外用剤は従来ステロイド外用剤と保湿剤がメインでした。
しかし、ステロイド外用剤には長期に継続した場合、ステロイド性皮膚炎という顔面中心に赤ら顔の状態を作ることが知られています。
そこで、開発されたのがタクロリムス軟膏です。アトピー性皮膚炎は、皮膚免疫が亢進していますが、それを抑制するためのアトピー性皮膚炎専用の外用剤です。
ステロイド外用剤との違いは、ステロイドが病変とともに正常皮膚にも作用するのに比べて、病変部位のみに作用するということです。つまり、ステロイド外用剤で起こりうる血管拡張や皮膚萎縮という副作用はありません。ただ、使用の際にぴりぴりとした刺激感はありますが、それも徐々に慣れてきます。
ステロイドに恐怖感があるが、顔面の赤みが気になる患者さんには有効な薬剤です。
現在は、小児用もあり2歳以上の患者さんに対応できます。

*ダーマスコピー 対象疾患;主に黒いできものの鑑別

最近、テレビなどで「日本人は、手のひら、足のうらの黒いホクロには気をつけましょう。」ということが言われています。これは、日本人は人種的に手のひら、足の裏にホクロとよく似た黒色腫(メラノーマ)ができやすいからです。いままでは、肉眼的な判断と皮膚生検という皮膚の組織を採取して顕微鏡で細胞を良性か悪性か判断していました。
しかし、最近、ホクロはホクロの模様、黒色腫は黒色腫の模様があることがわかってきました。その模様を非常に見やすくできる器具がダーマスコピーという器具です。簡単には、虫眼鏡を改良した様な器具で、皮膚の深いところの色の変化までみることができます。
トレーニングをした皮膚科医が、その模様のパターンを分析することで、良性のホクロか悪性の黒色腫かを判断します。
100%の診断ができるわけではありませんが(迷う場合は、やはり皮膚生検が確実です。)
他にも、黒いイボや基底細胞癌などの黒い病変の鑑別もできるため、非常に有用ですので 気になる部位があれば、是非相談して下さい。(見るだけですので、痛くありません。)

*CO2レーザー 対象疾患;皮膚良性腫瘍

当院には、CO2レーザーを設置しております。CO2レーザーは、炭酸ガスレーザーともいわれ、炭酸ガスが水分に吸収される時に生じる熱を利用したレーザーです。
このレーザーの特徴は、いままで切除するしかなかった腫瘍あるいは治療できなかった小さい腫瘍の集まりにも適応があり、しかも外来で短時間で焼くことができ、腫瘍のみを焼くため、周囲の組織への侵襲も少ない点です。
 CO2レーザーは、顔、首のイボや目のまわりのできものなどに幅広く対応できますので、いままで取れないとあきらめていたものも、是非一度相談してみて下さい。
(適応疾患;汗管腫、眼瞼黄色腫、アクロコルドン、老人性いぼ、など)
(写真はこちらです。)

*ディフェリンゲル 対象疾患;ニキビ(尋常性ざ瘡)

昨年、厚生省の認可がおり「ディフェリンゲル」という外用剤が処方可能になりました。
今まで、ニキビは、ばい菌がはってできると思っている人が多いですが、そうではなく皮脂の分泌の亢進と毛穴の途中が角化という現象でつまることが原因です。「ディフェリンゲル」は、その角化を皮膚の遺伝子に働きかけ抑制する画期的な薬剤です。
また、現在できているニキビを治すだけではなく、微小面疱といわれるニキビのできはじめにも効くため、ニキビ予防にもなるのが特徴です。
いままで、ニキビで悩んでこられた患者さんには、是非一度試してほしいと思います。
(海外では10年前からすでに使用されており、なぜ日本では使えないかと不思議がられていた薬剤です。)

*ナローバンドUVB 対象疾患;尋常性乾癬、掌蹠膿疱症、 白斑、脱毛症、アトピー性皮膚炎

紫外線療法は、皮膚科では従来から行われている治療法で、尋常性乾癬や白斑、脱毛症をはじめ上記の疾患などの症状のある皮膚に紫外線を照射することが有効なことが知られています。
「ナローバンドUVB」は、紫外線のUVBの中で一番効果のある波長を選択的に治療できる機械で、疾患にもよりますが週1~2回、平均2分程度繰り返し照射する治療です。
(健康保険の適応です。)
ステロイド外用剤に抵抗性のアトピー性皮膚炎の場合も、選択される治療法の1つです。
(写真はこちらです。)

*ビタミンD3軟膏 対象疾患;尋常性乾癬、掌蹠膿疱症

尋常性乾癬、未だに原因不明の難治性の疾患です。皮膚ができる過程を角化といいますが、乾癬はその角化が亢進した状態のため皮疹ができる病気で、これらの病気になられた方は外見、生活面で悩んでおられるのが現状です。
ビタミンD3軟膏は、この角化を抑制する作用があり、この外用剤のおかげで皮疹をかなりコントロールできるようになりました。また、症状がひどい場合はステロイド外用剤との併用でさらに効果があがることがわかってきました。乾癬は、見た目で困られる方が多いので、皮疹が軽快するだけでかなり精神的にも楽になれると思います。
また、同様に難治性の掌蹠膿疱症ですが、2008年11月にビタミンD3軟膏が保険適応になりましたのでこちらも使用により改善が見込まれます。

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